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引越しそばはなぜ食べる?理由や由来をわかりやすく解説!
この記事の監修者
有喜屋 三代目店主
三嶋吉晴
有喜屋(うきや)三代目店主。有喜屋は1929年 京都先斗町に創業した本格手打ちそばと蕎麦料理を提供するそば屋です。 最年少で京都府優秀技能者表彰「京都府の現代の名工」を受彰。 手打そば職人としては全国で初となる「卓越技能章」を厚生労働大臣より受彰。 天皇陛下から授与される褒章である、「黄綬褒章」を拝受。
「引越しそばってどういう意味があるの?」
「引越しそばっていつ食べるもの?」
日本には、引越しをする際に引越しそばを食べる習慣があります。しかし、なぜそばなのか、その由来や意味を知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。
この記事では、引越しそばの由来や食べる理由、食べ方などについて詳しく解説します。
目次
1. そもそも引越しそばとは?由来も紹介
引越しそばとは、日本の伝統的な習慣であり、新しく引っ越してきた人が近隣にそばを配る習慣です。引越しそばと聞くと、引越しを手伝ってくれた友人と一緒にそばをすするというイメージが現在では定着していますが、昔の引越しそばは自分たちが食べるものではなく、近隣の方に配るものでした。
引越しそばの由来にはいくつかの説があります。一つは、そばが当時安価で手に入れやすかったことが挙げられます。高価な品物を配ることは難しかったため、手頃なそばが手土産として選ばれたとされています。
もう一つの説は、そばの麺が細く長く伸びる特性から、長く良好な関係を築く願いが込められたことです。そばの麺のように縁が長く続くことを願って、引っ越しを祝う意味合いが生まれました。
引越しそばの由来は古く、江戸時代の頃から行われていました。江戸時代には、すでに新居に越してきた際に近所の人に挨拶をする風習がありました。当時は木造の家が一般的であり、生活音が隣に漏れてしまい、迷惑をかけてしまうことも多かったそうです。この際に手土産としてそばを配ることが始まりとされています。
2. 引越しそばを食べる理由
引越しそばの本来の意味は、そばを近隣に配る習慣であると解説しました。しかし、その習慣は昭和初期ほどから廃れ、現代では引越しそばといえば、新居で食べる習慣として変化しました。本来配る引越しそばを食べるようになったのは、新しい生活を始める節目や大切な日に食べることで、幸運や成功を願う気持ちを込めるためです。
引越しそばには近隣と長く良好な関係を築くためという由来があるように、そばは縁起の良い食べ物です。日本の文化の一部である、新しいスタートや節目の時に縁起の良い食べ物を食べる習慣が、引越しそばとして定着したと考えられています。
3. 引越しそばを食べるタイミングは?
引越しそばを食べる明確なタイミングはありませんが、引越しをした日の夕食や、新居に到着してからの初めての食事として食べるのが一般的です。
引越し当日は忙しくて食事をする時間がなかったり、疲れて外食や簡単な料理を選ぶこともあります。そのため、一度落ち着いて新居で食事をする時間を持ち、家族や友人と一緒に引越しそばを食べるというのが一般的なシーンです。
また、引越し後の翌日や数日後に引越しそばを食べることもあります。引越し当日はバタバタしていてゆっくり食事を楽しめなかったり、家族や友人が来ることを予定しているため、じっくりとした食事をするのは翌日以降になることがあるからです。
4. 今でも引越しそばを配る習慣はあるのか?
引越しそばを持って挨拶に行く習慣は、徐々になくなりつつあります。近年では、近隣に挨拶をする必要性が薄れたためです。
地域によっては引越しの際に近隣にそばを配る習慣が残っているところもありますが、その頻度や範囲は以前ほど広くはありません。しかし、隣人への挨拶は悪い印象を与えることもなく、いざという時に助けになってくれる可能性があります。そのため、面倒であっても挨拶を済ませておくことがベターです。
5. 引越しそばの代わりに配るもの
ここでは、引越しそばの代わりに配るものを紹介します。一般的に引越しの挨拶として渡すものは以下の通りです。
- お菓子
- お米や日用品
順に解説します。
(1)お菓子
引越しの際に贈る代表的な贈り物の一つがお菓子です。お菓子は幅広い年齢層に喜ばれるため、引越しの挨拶に適しています。特に、チョコレートやクッキーなどの手軽に食べられるお菓子が人気です。その他にも、洋菓子や和菓子、おせんべいなど、多種多様な種類があります。ただし、引越しの挨拶へ伺った際に近隣の方が留守にしている場合もあるため、賞味期限や保存状態には注意が必要です。
(2)お米や日用品
お米や日用品も引越しの挨拶におすすめの贈り物です。お米は日本人にとって身近な食品であり、米という漢字は八十八の組み合わせでできていることから、八十八の神が宿っていると言われています。また、八は末広がりでもあるため、そば同様に縁起の良い贈り物として人気があります。
日用品としては、洗剤や石鹸、トイレットペーパーなどの消耗品が重宝されます。特にタオルは糸と糸を紡いで作ることから縁が繋がるという意味もあるそうです。また、ふきんも縁起の良い贈り物であり、拭く=福を連想することができます。
引越しの際は「有喜屋のそば」を贈りましょう!!
この記事では、引越しそばは本来食べるものでなく、近隣との良い関係を長く築いていくために配るものであると解説しました。
また、引越しそばが配るものから食べるものに変化した背景や引越しそばを食べるタイミングについても紹介し、引越しの挨拶の必要性が薄れてきているとはいえ、近隣への挨拶は相手に良い印象を与えるためにも行った方が良いと言及しました。
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