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コラム
そばを毎日食べると健康に?そばの栄養とメリット、体に良い食べ方を徹底解説
この記事の監修者
有喜屋 三代目店主
三嶋吉晴
有喜屋(うきや)三代目店主。有喜屋は1929年 京都先斗町に創業した本格手打ちそばと蕎麦料理を提供するそば屋です。 最年少で京都府優秀技能者表彰「京都府の現代の名工」を受彰。 手打そば職人としては全国で初となる「卓越技能章」を厚生労働大臣より受彰。 天皇陛下から授与される褒章である、「黄綬褒章」を拝受。
「そばって毎日食べると体に良いの?」
「毎日そばを食べるときれいになれる?」
栄養が豊富で低GI食品であることから、健康食材としても人気が高いそばです。近年は、健康・美容のために積極的にそばを食事に取り入れている方が増えています。中には、そばを毎日食べているという方も少なくありません。
ただ、そば自体は魅力的な栄養を豊富に含む食べ物ですが、毎日食べる場合には気を付けたい点がいくつかあるのをご存知でしょうか。
この記事では、そばの栄養や健康効果と合わせて、毎日そばを食べる際の注意点とさらにおいしく健康的にいただく方法ついて解説します。
目次
1. そばは毎日食べても大丈夫|注目すべき5つの栄養とその効果
そばを毎日食べても基本的には問題ありません。そばには、そばだけにあるルチンなど健康や美容に役立つ様々な栄養が含まれています。毎日そばを食べることで、健康維持や美容、ダイエット、生活習慣病の改善など様々な効果が期待できます。
次に、特に注目したい5つの栄養素とその健康効果をみてみましょう。
- 生活習慣病予防に役立つルチン
- 糖の吸収を緩やかにする食物繊維
- 健康維持・美容に役立つビタミンB1・B2
- 塩分を体外に排出してくれるカリウム
- 心や脳の健やかな働きをサポートするコリン
(1)生活習慣病予防に役立つルチン
ルチンはポリフェノールの一種で、抗酸化作用を持っている栄養です。毛細血管を丈夫にする働きがあるため、そばを毎日食べると高血圧や動脈硬化の予防など生活習慣病のリスクを減らす効果が期待できます。また、眼精疲労、老化予防などの効果も期待できます。
(2)糖の吸収を緩やかにする食物繊維
食物繊維は、免疫に大きな影響を与える腸内環境を整えてくれます。さらに、血糖値の上昇も緩やかにしてくれることから、太りにくく、ダイエットにも最適です。また、食物繊維はコレステロールにくっつき便として排出してくれるので、コレステロールが気になる方にもおすすめです。
毎日そばを食べることで、肥満、便秘・下痢、高血圧、動脈硬化、糖尿病、脂質異常症などの予防・改善につながります。
(3)健康維持・美容に役立つビタミンB1・B2
ビタミンB1は、エネルギー代謝・糖質の代謝に大きく関わるだけでなく、皮膚や粘膜を健康に保つ働きを担う栄養です。ビタミンB2は「発育のビタミン」と言われ、脂質の代謝や、皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生に欠かせない栄養です。
ビタミンB1・ビタミンB2が不足すると、心身共に疲れやすくなったり、太りやすくなったり、肌トラブルが起こりやすくなるなど様々な問題が起こりやすくなります。しかし、そばを毎日食べることでこの2つの重要なビタミンをしっかり摂ることができます。
(4)塩分を体外に排出してくれるカリウム
カリウムは、ナトリウム(塩分)を汗や尿として体外に排出するなど体を健康を保つために必須のミネラルであるため、高血圧の方は積極的に摂りたい栄養です。日本人は昔からカリウム不足と言われているため、毎日そばを食べてしっかり補給しましょう。
(5)心や脳の健やかな働きをサポートするコリン
コリンとは、体内でビタミンのような働きをする水溶性ビタミン様作用物質であり、脂質代謝の促進によるダイエット効果や、腎臓・肝臓機能のサポート効果が期待できる成分です。
他にも、血管を拡張させて血圧を低下させる効果も期待できるため、高血圧の予防効果も期待できることが最近の研究で判明しています。さらに、交感神経の動きを抑える働きで精神にも良い影響を与えたり、記憶力低下の予防やアルツハイマー予防などにも関わる栄養です。
2. そばを毎日食べる場合に気を付けたい3つの注意点
そばは、栄養価が高くて健康・美容に良い食品です。しかし、毎日食べる場合は気を付けたい点もいくつかあります。
- 栄養バランスの偏り
- 塩分・糖分の過剰摂取
- アレルギーのリスク
(1)栄養バランスの偏り
そばは栄養が豊富な食べ物ですが、毎日そばばかり食べていると、ビタミンCや亜鉛、カルシウムなど体を健康に保つために必要な栄養が不足してしまうことになりかねません。
そばに含まれる栄養は摂りすぎても体に害を与えるものではありませんが、他の栄養が不足することで体調を崩したり、心身のバランスが崩れたりするおそれがあります。
(2)糖分・塩分の過剰摂取
そばを美味しくいただくために欠かせないつゆですが、みりんや砂糖が使用されており、糖質やカロリーが高いです。また、塩分も高いため、体重や血圧が気になる方には注意が必要です。
(3)アレルギーのリスク
そばはアレルギーのリスクも考慮する必要があります。
そばに含まれるアレルゲン物質(グロブリン)はアレルギー反応を引き起こすことがあります。これまでそばを食べて何もなかった人でも、毎日食べているうちに突然アレルギー症状が現れることもあります。
もし、そばを食べて喉の痒みなど違和感や体調の変化といったアレルギーの兆候が見られたら、すぐに食べるのをやめましょう。そばアレルギーは重篤な症状を引き起こすこともあるため、必ず医師の診察を受けてください。
4.そばをさらに健康的にいただくおすすめの方法
毎日そばを食べるなら、健康的においしくいただくために次の6つの方法を取り入れてみることをおすすめします。
- そばの割合をチェックする
- そばで得られない栄養が豊富な食材も取り入れる
- そばつゆを多くつけないようにする
- そば湯を飲む
- よく噛む
- 体調が悪い時には避ける
(1)そばの割合をチェックする
毎日食べるなら、そばの栄養をしっかり摂るために、そば粉の配合量が多いものを食べましょう。
そばは、つなぎがいっさい入っていないそば粉100%の十割蕎麦、つなぎに10%のとろろや小麦粉を配合した九割そば、20%のつなぎを配合した二八そば、つなぎとそば粉が同量の五割そば(同割そば)などさまざまな種類があります。
(2)そばで得られない栄養が豊富な食材も取り入れる
そばに含まれない栄養も積極的に摂ることでさらに栄養バランスが整い、体に良い食事ができます。
栄養バランスを整えるには、具材にたんぱく質やビタミンが豊富な魚介類、肉類や卵などの他、ビタミンやミネラル類が豊富な青菜や山菜やとろろなどの野菜、なめこなどのキノコ類、わかめなどの海藻類などをトッピングを工夫するのがおすすめです。
また、薬味として消化促進・食欲増進などの効果もある大根おろしやネギ、ショウガなどの薬味をプラスするとさらにおいしく健康的にそばを頂くことができます。他にも、冷奴やおひたしなどの副菜をプラスするのも良い方法です。そばの食べすぎを防ぐこともできます。
(3)そばつゆを多くつけないようにする
市販のつゆには塩分や糖分が多く含まれています。毎日、そばを食べ続けるということはつゆも食べ続けるということになります。知らない間に塩分過多・糖分過多になるおそれもあることから、そばを食べる際はつゆを多くつけすぎないようにしましょう。
また、市販のそばつゆは添加物も気になるものです。毎日食べるなら自分で作るのもおすすめです。
(4)よく噛む
「そばは喉で食べる」「そばはのど越し」といわれていますが、食物繊維の豊富なそばをあまり噛まずに食べると、内臓に負担をかけるおそれがあります。
そばを毎日食べるなら、しっかり噛んでそばの風味を口の中でしっかり味わいながらいただきましょう。
(5)そば湯を飲む
そばを食べる時にはそば湯も一緒に飲むのもおすすめです。
そばの栄養分は水溶性のため、そば湯には流れ出た栄養がたっぷり入っています。そば湯は残ったそばつゆに入れてだしの味わいをたのしみながら飲むのが一般的ですが、それだと塩分や糖分が気になるため、できるだけそばつゆを使わずに薬味を添えて飲むのがおすすめです。
(6)体調が悪い時には避ける
そばは、うどんやそうめんと比べて倍以上の食物繊維が含まれているので消化にやや時間がかかります。
胃腸の調子が悪いときや体調がすぐれない時は、胃腸にかかる負担を減らすためにもそばは避けたほうがよいでしょう。
ひと工夫して毎日そばを健康的に美味しく食べましょう
そばは、おいしいだけでなく、ルチンや食物繊維、ビタミンB1・B2 、コリンなどの栄養を豊富に含んでいることから、高血圧や肥満、生活習慣病など健康面が気になる方にとっては魅力的な食べ物です。そのため、毎日食べて健康になりたいと考える方も少なくありません。
しかし、そばを毎日食べる際には気を付けたい注意点もあります。リスクやデメリットを理解した上で、健康的に食べる方法を取り入れることで、そばを安全においしくいただけるだけでなく、体や心の健康にもさらに役立てられることでしょう。
有喜屋では、上質なそば粉を使い、心をこめて手打ちしたそばをご堪能いただけます。また、オンラインショップでも、ご家庭でもお気軽に本場の味を楽しめる各種そばを販売しております。有喜屋のそばをぜひご堪能ください。