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コラム
京都のそば職人直伝!そばのおすすめアレンジレシピ3選

この記事の監修者

有喜屋 三代目店主
三嶋吉晴
有喜屋(うきや)三代目店主。有喜屋は1929年 京都先斗町に創業した本格手打ちそばと蕎麦料理を提供するそば屋です。 最年少で京都府優秀技能者表彰「京都府の現代の名工」を受彰。 手打そば職人としては全国で初となる「卓越技能章」を厚生労働大臣より受彰。 天皇陛下から授与される褒章である、「黄綬褒章」を拝受。
香り高く喉ごしの良いそばは、シンプルに食べても美味しい日本の伝統食。しかし、ひと工夫を加えることで、日常の食卓がぐっと華やかに変わることをご存じですか?
そこで今回はそばのアレンジレシピを紹介します。簡単に作れるレシピばかりなのでぜひお試しを。ご自宅でいつもと違うそばの魅力やおいしさをご堪能ください。
目次
1.家庭で簡単に作れる「巣ごもりあんかけ」
あつあつのとろみのあるそばつゆと、カリカリのそばがほどよく絡み合い、いつものそばとは違う食感や風味を楽しめる人気メニューです。そばや具材を揚げるだけと作り方は簡単ですが、ボリュームがあり豪華で見栄えもする一品です。
- 【材料】
- 茹でた麵・・・30g(15g×2枚)
- えび・・・1本
- 人参・・・少々
- 大根・・・少々
- しいたけ・・・少々
- ほうれん草・・・少々
- 有喜屋のそばだし・・・200㏄
- 水溶き片栗粉
(1)そばを揚げる
- フライパンに油を5mmほど入れて加熱する
- 茹でたそばを鳥の巣のような形に整えてカリッと揚げる
- きつね色になったら取り出し、油を切る
そばを揚げる際は、箸を使って麺と麵の間にすき間を開け、器になるように作りましょう。
(2)具材の下ごしらえ
- にんじん・大根はレンジで柔らかくし、軽く素揚げする
- えびは天ぷら粉をまぶしてサッと揚げる
ほうれん草や人参、しいたけなどの具材と海老が入ることで栄養バランスが整い、彩りも美しくなります。今回は具材に人参・大根・ほうれん草・しいたけ・海老を使っていますが、他にもインゲンやアスパラガス、白菜やネギ等の野菜、あさり・イカ・ホタテなどの魚介もおすすめです。季節やお好みに合わせて具材を変えることでさらにアレンジの幅も広がります。
(3)あんを作る
- 鍋に有喜屋のそばだし(200cc)としいたけを入れて火にかける
- 沸騰したら水溶き片栗粉でとろみをつける
だしを沸騰させ続けると香りが飛んでしまうので、手早く水溶き片栗粉をいれてとろみをつけます。
(4)盛りつけ
- 皿に揚げそばを置き、野菜・えび・ほうれん草・しいたけを中に入れるように盛る
- 上から揚げそばをフタのようにのせ、あんをかける
- 最後にショウガをのせてできあがり!
揚げたそばの器に彩りよく具材を盛り付けましょう。あとは揚げそばでフタをして、つゆのあんを全体にとろりと回しかけます。仕上げのショウガがさらに彩りを良くし、爽やかな風味をプラスしてくれます。
カリカリのそば、色鮮やかな野菜や海老、そして香り高い有喜屋のそばつゆを使った巣ごもりあんかけは味や食感や香りだけでなく、視覚からもしっかり満足できるアレンジメニューです。
2.有喜屋オリジナルメニュー 「有喜天そば」
ふわふわのあんの上に天ぷらが乗った有喜天そばは有喜屋2代目のオリジナルメニューです。健康に良いことで知られる納豆ですが、当時の京都では納豆を食べる人が少なかったのだとか。そこで納豆が苦手な方でも食べやすいようにとたまごを組み合わせたこのレシピを考案しました。京都のそば職人直伝の有喜天そばの作り方とコツを紹介するので、希少な味をぜひご自宅でお楽しみください。
- 【材料】
- そば・・・1人前
- 納豆・・・1パック
- たまご・・・1個
- 天ぷら(えび・のり・いんげんなど)・・・・お好みで
- ざるそばのつゆ・・・適量
- 天かす・薬味ネギ・刻みのり・・・適量
(1)そばを茹でる
- 沸騰した鍋にそばをほぐしながら入れる
- そばが絡まないように箸を8の字に入れ茹でる
- 茹で上がり加減をチェックし、水にそばを入れて冷ます
- もつれないようにほぐしながら流水でそばを洗う
- ざるに盛って水切りをし、そばをほぐしながらどんぶりに盛る
そばが絡まず全体にしっかり火が通るようにたっぷりのお湯で茹でましょう。茹でたあとはしっかり麺を締めておくのもポイントです。
(2)ふわふわのあんを作る
- 大き目の器に納豆とたまごを入れる
- お箸5~6本を使い、メレンゲのようにふっくらするまで全力でかき混ぜておく
有喜天そぱのポイントは、そばの上にのせるあんをしっかりふわふわに泡立てることです。納豆にたまごを加えたものを角が立つくらいしっかり泡立てることでまろやかさやクリーミーさがアップします。さらに納豆独特のニオイや粘りが気にならなくなるため、納豆が得意でない方もするすると食べられることでしょう。
(3)天ぷらを揚げる
- 海老やのりなどサクサクに揚げる
- 天かすも作っておく
海老天を揚げる際は、衣に花が散るように上からてんぷら粉を垂らすのがコツ。また鍋のへりで海老をおさえて背中が曲がらないようにすると見栄えが良くなります。今回は海老とのりといんげんを使っていますが、天ぷらの具材はお好みでお選びください。良質なたんぱく質が取れるたまごと納豆のふわふわあんに加えて、栄養価をさらに高めるならビタミンやミネラルが豊富な旬の野菜がおすすめです。春はタラの芽やふきのとう、夏はオクラやゴーヤ、秋はキノコやさつまいも、冬はゴボウやレンコンなどが良いでしょう。ふわふわのあんに旬の味覚を添えてお楽しみください。
(4)盛り付け
- どんぶりに盛り付けたそばにざるそばのつゆをかける
- その上にふわふわたまご+納豆のあんをたっぷりかける
- 天かす・薬味ネギ・刻みのりの順で上にのせる
- 最後に天ぷらを彩りよく盛り付けて完成!
有喜天そばはよくかき混ぜてお召し上がりください。風味豊かなそばにしっかり絡まるたまごと納豆のふわふわあん、そこにサクサクの天ぷらが加わることで様々な食感や味わいを楽しむことができます。
3.乾麺を美味しく食べるコツも紹介 「にしんそば」
最後に、有喜屋の店頭やオンラインで販売しているにしんそばセット(乾麺)を美味しく作るコツを紹介します。いくつかポイントをおさえるだけで、お店でいただくそばのように乾麺をおいしく茹でることができます。
- 【材料】
- 有喜屋にしんそばセット・・・1セット
- きざみ白ネギ(水菜でも可)・・・適量
- 七味・・・お好みで
(1)そばを茹でる
- 2つ鍋を用意し、たっぷりとお湯を沸かしておく(茹でる用・湯煎用)。だしを温める用の鍋も別に用意しておく
- 沸騰した鍋に乾麺を入れ、箸を入れずにそのまま蓋をする
- 吹きあがる前に蓋を開けて火を緩めて待ち、麺がほぐれてきたら優しく箸をいれる
- 吹きこぼれそうになったら火加減を調節し、途中(3分ほど)で一度そばのかたさを確認する
- 4分程度茹で、一気にざるにあげ、水をかける(面水)
- 流水でほぐしながらそばを洗った後、水を捨てて氷水でそばを一度締める(化粧水)
- ざるにあげて水切りをし、器に入れておく
温かいそばを作る際にはそばを茹でる用と湯煎用の熱湯が必要となるため、最初から2つの鍋でそれぞれお湯をたっぷり沸かしておくのがポイントです。また、茹でたそばを締める氷水も用意しておきましょう。
(2)だしを温める・そばと器を湯煎する
- 別に用意した鍋に「温かいそばだし」を入れて火にかけ温める
- 最初に用意したうちのもう1つの鍋の沸騰したお湯にそばをくぐらせ水切りをする
- 同様に器も湯煎で温める
だし風味を飛ばさないように「温かいそばだし」を沸騰させないように気を付けましょう。また、茹でたそばを一度冷水で締めてから湯煎で温めるのも大事なポイントです。そうすることで濁りのない透明なつゆになり、コシのあるそばを食べることができます。また、盛り付けた際に温かいそばやつゆを冷まさないように器も温めます。
(3)盛り付け
- そばを器に盛り付け、温めただしをかける
- その上ににしんを乗せて温めたつゆをかける
- 薬味に水菜・ネギを少し入れて完成!
にしんをいただく前に温かいつゆをくぐらせておきましょう。にしんが温まって風味や柔らかさがアップします。また、にしんの味や香りがだしに染み出てさらにおいしくなります。
いただく時は、まずはにしんの味が染み出たつゆを一口、それからそば・にしんをどうぞ。お好みで七味をかけるのもおすすめです。そばとつゆ、そしてにしんの旨味が詰まったにしんそばをご自宅でご堪能ください。
有喜屋のそばアレンジでさらにそばを楽しみましょう
この記事では有喜屋三代目店主 三嶋吉晴氏直伝のおすすめそばアレンジメニューを紹介しました。どのそばアレンジもいつも自宅で食べているそばとは異なる新しい味や食感を楽しめる逸品ばかりです。ちょっと変わったそばを食べてみたいと思ったらぜひお試しください。新たなそばの魅力の発見となることでしょう。
有喜屋では四季折々のメニューでお待ちしています。また、オンラインストアでも本格京都そばをご家庭で堪能できるセットも各種ご用意しています。ぜひアレンジメニューを参考にご自宅でおいしいそばをお楽しみください。