COLUMN
コラム
【知らなきゃ損】そばを本当に美味しく食べるコツを京都のそば職人が解説!
この記事の監修者
有喜屋 三代目店主
三嶋吉晴
有喜屋(うきや)三代目店主。有喜屋は1929年 京都先斗町に創業した本格手打ちそばと蕎麦料理を提供するそば屋です。 最年少で京都府優秀技能者表彰「京都府の現代の名工」を受彰。 手打そば職人としては全国で初となる「卓越技能章」を厚生労働大臣より受彰。 天皇陛下から授与される褒章である、「黄綬褒章」を拝受。
今回は実際にそばを茹でて、そばを美味しく食べる方法を解説していきます。
茹で方から食べ方まで詳しく解説しているため、ぜひご覧ください。
茹で方
- 大きな鍋と強い火力で茹でる
- 茹でる際は蓋をする
それではそばの茹で方から解説していきます。
そばを茹でる際は、芯まで早く均一に熱を通すため、できるだけ大きな鍋と強い火力で茹でることをおすすめします。
まず、お湯を沸かした状態で一人前のそばを手に取り、ほぐしながら少しずつ入れていきます。
そして、箸で八の字に軽くほぐして蓋をします。
そばは太さにもよりますが、3〜40秒で茹で上がるので、すぐに沸騰状態に戻すために必ず蓋を閉めてください。
蓋をしてから15秒ほど経つと沸騰状態に戻るので、蓋を開けて茹で上がり加減を指で触って確認します。
洗い
- そばがもつれないようにほぐして洗う
- 氷水で締める
30秒経ったら、そばをザルですくい、大量の水を入れたボウルに入れて洗っていきます。
その際、そばがもつれないように、ほぐしながら流水で洗います。
ザルであげた時に、冷たい水で急激に冷やす面水という方法もありますが、大量の水につけることで同じ効果が得られます。
その後、洗った水を一旦捨てて、最後に氷水で締めます。
水切り
- そばを盆ざるの縁(ふち)に盛って水切りする
洗いが終わったあと、締めたそばを水切りするために、盆ざるにのせます。
盆ざるの縁(ふち)に盛ることで早く水を切ることができます。
盛り付け
- そばは少しずつ盛り分ける
- 一本一本がバラバラになるようにほぐす
- 1分以内に盛り付ける
次は盛り付けです。
盛り付けはせいろにしていきますが、そばをいっぺんに盛るのではなく、麺をほぐしながら少しずつ盛り分けます。
盛り分けたら、さらに一本一本バラバラになるようにほぐしながら調整します。
これによって、そば一本一本の隙間にある水が早く切れるため、より香りが立ちます。
一本一本全てバラバラになっていて、そばが立っていることを確認しましょう。
そばを盛り付ける際は、1分以内であれば美味しく食べられるため、この工程は1分以内に済ませましょう。
食べ方
- そばだけを食べて味・香り・食感を楽しむ
- つゆだけの味を確かめる
- そばをつゆに少しつけて食べる
- 薬味(ネギやわさび)と一緒に食べる
まずは、そば自体を確かめてもらうために、つゆにつけずにそばだけ食べます。
そばだけを食べると、味・香り・食感がよくわかります。
その次は、そばちょこに入れたつゆに舌を少しつけて、つゆの当たりを確認し、その後にそばをつゆに少しつけてすすります。
すすることで蕎麦やつゆの香りを感じることができます。
その際に、そばちょこにつゆを一気に入れると、いつまでも辛い蕎麦湯を飲まなければならないため、少しずつ足していくのがおすすめです。
今度は、ネギやわさびといった薬味と一緒に食べます。
ネギをそばにのせたり、つゆに入れて食べることはありますが、わさびをつゆに入れると、つゆが完全にわさびの味になってしまい、そばやつゆの香りが失われてしまいます。
そのため、わさびと一緒に食べるときは、そばに少しのせて、つゆに入らないように注意して食べます。
また、わさびは蕎麦湯を飲む時にも使うため、全て使わないようにしましょう。
そばはゆっくりではなく、1分ほどで食べ切ると美味しく食べることができます。
有喜屋のこだわり
そばにおいて、麺の細さやツヤ、長さは木鉢という工程が非常に深く関係しています。
水回りやねりをする木鉢がきちんとできていると、細打ちでコシ・つやのある麺を作ることができます。
有喜屋では、細打ちの二八そば(ざるそば)や天ざるが人気がありますが、細打ちにこだわっている理由は、細い麺ほどつゆとの絡みが良いからです。
コク深いつゆと上品な細打ちの二八そばが有喜屋のこだわりです。
また、有喜屋では十割そばも作っていますが、十割そばは全て京都産の素材を使用しています。
まとめ
本日は、そばを美味しく食べる方法とコツを解説しました。
意外と知られていないこともあったと思いますので、ぜひ実践して、そばを美味しく召し上がってくださいね。