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【京都のそば職人直伝】そばに合うおすすめの薬味を紹介!

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有喜屋 三代目店主

三嶋吉晴

有喜屋(うきや)三代目店主。有喜屋は1929年 京都先斗町に創業した本格手打ちそばと蕎麦料理を提供するそば屋です。 最年少で京都府優秀技能者表彰「京都府の現代の名工」を受彰。 手打そば職人としては全国で初となる「卓越技能章」を厚生労働大臣より受彰。 天皇陛下から授与される褒章である、「黄綬褒章」を拝受。

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「そばに合う薬味って何があるの?」
「そばをもっとおいしく食べるには?」

そばは日本の伝統的な料理であり、多くの人々に愛されています。そんなそばの魅力をさらに引き立てるのが薬味です。しかし、どんな薬味を使えばよりそばがおいしくなるのか知らない方も多いと思います。

そこでこの記事では、そばの薬味の歴史や必要性、薬味の種類を紹介するとともに、おすすめの組み合わせを解説します。

1. そばの薬味とは?薬味の歴史と必要な理由

そばの薬味とは、そばを食べる際に風味や味わいを引き立てるために添えられる調味料や香辛料のことを指します。薬味はそばの味を一層引き立て、食べる人の好みに合わせて調整できるため、そばの楽しみ方を広げる重要な役割を果たします。

そばの薬味の歴史は江戸時代に遡ります。江戸時代初期には、冷たいそばが一般的でしたが、冷蔵保存の技術がなく、傷みやすい食べ物であったため、解毒作用のある薬味が使われるようになりました。当時の冷たいそばの薬味はわさびではなく、大根おろしのしぼり汁が主流でした。

わさびがそばの薬味として使われるようになったのは、江戸時代中期以降です。江戸時代の資料「蕎麦全書」には、「辛い大根がない場合、しぼり汁の代用としてわさびを使う」と記されています。また、徳川家康がわさびを気に入り、家康の命令により静岡ではわさび作りが盛んになったという話もあります。

薬味はそばの風味を引き立てるだけでなく、消化を助ける効果や抗菌作用などの健康効果もあります。例えば、わさびやねぎには抗菌作用があり、食中毒の予防に役立ちます。また、大根おろしには消化酵素が含まれており、消化を助ける効果もあります。

2. そばで使われる薬味14選を紹介

そばを楽しむ際には、様々な薬味を添えることで、より一層味わい深い体験を得ることができます。そばに合う代表的な薬味には、実に多くの種類があります。以下に、そばと相性の良い14種類の薬味をリストアップしました。

  • ねぎ
  • わさび
  • 大根おろし
  • 七味唐辛子
  • のり
  • みょうが
  • しょうが
  • ごま
  • オクラ
  • とろろ
  • すだちやゆずなどの柑橘類
  • 納豆
  • 大葉

これらの薬味は、そばの風味を引き立て、食感や香りに変化を与えます。これらの薬味を単品として使うだけでなく、相性の良い薬味同士を組み合わせることで、そばの楽しみ方は無限に広がります。

3. 【おすすめ】そばに合う薬味の組み合わせを解説!

ここではそばに合う薬味の組み合わせとして以下の7つを紹介します。

  • ねぎ + わさび
  • 大根おろし + しょうが
  • 七味唐辛子 + ごま
  • のり + みょうが
  • とろろ + すだち
  • 卵 + 納豆
  • 大葉 + オクラ

(1)ねぎ + わさび

ねぎ + わさびの組み合わせは、冷たいそばの代表的な薬味です。ねぎは東日本では白ねぎ、西日本では青ねぎが主に使われますが、どちらもそばとの相性が抜群です。ねぎのシャキシャキとした食感と爽やかな辛味が、そばの風味を引き立てます。一方、わさびは江戸時代中期以降にそばの薬味として広まりました。わさびの鼻に抜けるような辛味は、そばの味を引き締めてくれます。

(2)大根おろし + しょうが

大根おろし + しょうがの組み合わせは、特に温かいそばにおすすめです。大根おろしは江戸時代初期から冷たいそばの薬味として使われていました。大根おろしにはジアスターゼという消化酵素が含まれており、消化を助ける効果があります。一方、しょうがには体を温める効果があり、特に冬季に重宝されます。

大根おろしのさっぱりとした味わいとしょうがのピリッとした辛味が、そばの旨味を引き立てます。使い方としては、大根おろしをそばの上に乗せ、すりおろしたしょうがを少量添えるのがおすすめです。口の中で大根おろしとしょうがの風味が混ざり合い、そばの味わいを豊かにします。

(3)七味唐辛子 + ごま

七味唐辛子 + ごまの組み合わせは、特に温かいそばに合います。七味唐辛子は江戸時代に日本で誕生した調味料で、7種類の香辛料をブレンドしたものです。一方、ごまは古くから日本で親しまれてきた食材で、栄養価も高いです。

七味唐辛子のピリッとした辛味と複雑な香りが、そばの味を引き締め、ごまの香ばしさはそばに深みと豊かさを加えます。使い方としては、まずごまをすり鉢ですりつぶし、そばの上に振りかけます。その後、七味唐辛子を好みの量だけ加えます。この順番で加えることで、ごまの香りが七味唐辛子の辛さを和らげ、バランスの取れた味わいになります。

(4)のり + みょうが

のり + みょうがの組み合わせは、ざるそばやもりそばなどの冷たいそばに最適です。のりは江戸時代にざるそばを高級な位置づけにするための印として使用されはじめました。みょうがは日本の伝統的な香味野菜で、独特の香りと食感が特徴です。

のりの香ばしい風味がそばに深みを与え、みょうがの爽やかな香りがアクセントになります。使い方としては、細かく刻んだのりをそばの上に振りかけ、その上に薄切りにしたみょうがを散らします。これにより、見た目も美しく、香りも豊かな一品になります。特に夏場は、みょうがの清涼感がそばの美味しさを引き立てます。

(5)とろろ + すだち

とろろ + すだちの組み合わせは冷たいそばにおすすめで、とろろのクリーミーな食感とすだちの爽やかな酸味が絶妙にマッチし、そばの味を一層引き立てます。使い方としては、そばの上にとろろをかけ、すだちを絞ることで、とろろの濃厚さがすだちの酸味で軽やかになり、食べやすくなります。特に暑い季節には、さっぱりとした味わいが楽しめ、食欲増進にも効果的です。

(6)卵 + 納豆

卵 + 納豆の組み合わせは、卵のまろやかさと納豆のねばりが相まって、そばに独特の風味と食感を加えます。使い方としては、温かいそばの上に生卵や温泉卵を乗せ、その横に納豆を添えます。食べる際に、卵と納豆を混ぜ合わせてそばと一緒にいただくことで、そばの味わいが豊かになるだけでなく、栄養バランスも良くなります。

ちなみに、有喜屋では卵と納豆をふわふわの泡状に混ぜ合わせた「有喜天そば」を提供しています。「有喜天そば」は有喜屋が独自に編み出した人気メニューで、卵のまろやかな味と納豆の旨みが組み合わさったつゆとそばが絡んだ絶品です。この機会にぜひ有喜屋の「有喜天そば」をご賞味してみてはいかがでしょうか。

(7)大葉 + オクラ

大葉 + オクラの組み合わせは、冷たいそばに最適です。大葉は独特の香りと風味が特徴で、オクラはシャキシャキとした食感とぬめりが特徴です。大葉のさわやかな香りとオクラのシャキシャキとした食感が、そばの味を引き立てます。

使い方としては、大葉を細かく刻み、オクラを輪切りにしてそばの上に散らすことで、見た目も鮮やかで食欲をそそる一品となります。また、大葉とオクラにはビタミンCが豊富に含まれているため、栄養面でも優れています。

有喜屋でも様々な薬味を取り扱っています

そばの薬味は、そばの風味を引き立てることができる上に、健康にも良い効果があります。ねぎ、わさび、大根おろしだけでなく、今回の記事で紹介した様々な薬味を使い分けることで、そばをより一層楽しむことができます。自分好みの薬味を見つけて、そばの味わいを広げてみてください。

有喜屋では、わさびやねぎ、のり、大根おろしといった定番の薬味だけでなく、記事内でもご紹介した通り、卵と納豆をふわふわになるまで混ぜ合わせた「有喜天そば」も提供しています。ぜひこの機会に有喜屋にご来店いただき、京都のそば職人が腕を振るう手打ちそばをご賞味ください。